看護業界が抱える潜在看護師増加という課題

潜在看護師の増加

潜在看護師の増加

潜在看護師とは

潜在看護師とは

潜在看護師とは、看護師資格を持っていながらも看護師として働いていない人のことを言います。厚生労働省によると、就業看護師数は増加しているものの、一方で潜在看護師の数も年々増加しているとされています。需要の高い業界ながら、なぜ看護師として働いていない人が増えているのでしょうか。2012年の時点で、潜在看護師の数は70万人を超えています。これは、資格保有者の3分の1が看護師として働いていないことを示しています。

女性ならではの理由

女性ならではの理由

近年は男性看護師も徐々に増えてきましたが、少し前まではほとんどが女性でした。女性は人生において結婚や出産、育児などの重大なライフイベントを経験します。従来の社会構造では、子育てをしながらキャリアを積んでいくのは容易ではありません。そのため、一度職場を離れた後に再びキャリアを積むのは困難だと考え、現場に戻るのをためらう看護師が多いのです。
結婚や育児を理由に現場を離れた看護師が復職をためらうのには、医療技術の進歩も関係しています。医療技術は日進月歩で変わっていきます。医療サービスは多様化し、専門性が求められるようになってきました。高齢化に伴ってさらなる需要の増加が見込まれる業界ですが、ブランクによってスキルが低下しているため、復職しても今の技術についていけないのではないかという不安が付きまとうのです。
医療従事者の不足が叫ばれている近年において、潜在看護師の増加は社会問題と言えるでしょう。そのため、潜在看護師の復職に向けた積極的なアプローチが求められています。潜在看護師を現場に復帰させることができれば、労働人口減少対策、サービスの質向上につながります。

復職支援

復職支援

潜在看護師の復帰を支援するために、各都道府県で「復職支援研修」が行われています。復職にあたっての心構えや、基本的な看護ケアを学び直すことができます。この制度は無料で利用可能で、場合によっては研修中の保険料や交通費を負担してくれます。東京都を例にすると、最新の医療に関する講義の受講、医療機器を使った採血・注射などの演習、訪問看護や介護施設での看護体験、復職に向けた個別相談などを行っています。また、復職支援研修に参加する受講者は、それぞれ復職に対して何らかの不安を持っており、同じような事情を抱えています。そのため、受講者同士が交流することによって不安を和らげることができます。以下に、東京都が行っている復職支援研修の内容が紹介されているサイトを紹介します。

東京都ナースプラザへ行く

こちらは「東京都ナースプラザ」の公式サイトです。様々な復職支援プログラムが用意されています。

まずは届出を

まずは届出を

2015年から、看護師は離職時に自身の情報をナースセンターに登録することが努力義務化されました。これは、今後復職を希望する際にスムーズに支援制度を受けてもらうための施策です。最寄りのナースセンター窓口で届出をするか、届出サイト「とどけるん」から登録することができます。

とどけるんへ行く

こちらが届出サイト「とどけるん」です。すぐに登録が可能なので、未登録の潜在看護師はまず登録しましょう。

看護業界の課題について詳しく知りたい人へ