現状抱えている課題
看護業界が現状抱えている課題を挙げていきます。看護師の仕事は多忙かつ不規則な勤務形態です。そのため、ワークライフバランスを保つことが難しく、それを理由に退職する人が多いです。個々のライフスタイルに応じた働き方を実現できれば、人材の定着率は上がるでしょう。また、潜在看護師に対する復職支援も必要です。ブランクのある看護師が不安なく現場に復帰できるようにサポートすることが、人材確保につながります。そして、特定看護師の増加も質の高い看護ケアの提供には不可欠です。
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ワークライフバランスについて
看護業界の課題としてまず挙げられるのが、ワークライフバランスの難しさです。看護業界は人手不足が続いており、看護師1人あたりの業務負荷が大きくなっています。それに耐えられず退職してしまう看護師がいるなど、負の連鎖が起きている状況のため、一刻も早い環境改善が求められます。仕事と家庭の両立を目指す看護師のための勤務形態や、既存の看護師に対する負担軽減策など、ワークライフバランスを意識した改革が必要です。
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潜在看護師の増加
看護師資格を持っていながら看護師として働いていない「潜在看護師」の数が年々増えています。出産や育児をきっかけに離職した後、復職をためらう看護師が多くいるのです。医療技術は日々進化しているため、ブランクによるスキルの低下を理由に現場へ戻ることに不安を感じている看護師は少なくありません。そこで、各都道府県では復職支援研修を実施し、復職に向けた研修や相談対応を行っています。制度を利用するためにはナースセンターに届出が必要です。
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特定行為研修の普及
患者さんに対してスムーズに質の高い看護ケアを提供することを目的に、高度な知識や判断力を持つ看護師を育成する「特定行為に関わる看護師の研修制度」の普及も、看護業界の課題として挙げられます。2015年に始まった制度ですが、想定よりも普及していないのが現状です。この制度の有効性を広めるためには、認知度向上や待遇向上などの取り組みが必要です。修了者が増えて臨床レベルが上がれば、修了者を多く雇用する病院の評価は上がるはずです。